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最強国家ニッポンの設計図 [本(日本の政治)]


最強国家ニッポンの設計図

最強国家ニッポンの設計図

  • 作者: 大前 研一
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2009/05/29
  • メディア: 単行本



序章 日本は最強国家になれる!
第1章 「年金と税金」で国民の「安心と意欲」を作り出せ
第2章 経済を復興し、産業を興せ
第3章 教育と雇用─世界で大活躍する人材を育てろ
第4章 憲法改正と道州制で「新しい国家のかたち」を作れ
第5章 最強国家にふさわしい「最強の外交・防衛戦略」とは何か
第6章 二度と世界金融危機を起こさないボーダレス経済の新理論

ちょっと政策について、いろいろ研究です。
この本はすでに出版された直後に読んでいましたがブログに書くのは後回しにしていました。

まあ、昔から大前 研一さんは、アイデアとか戦略的発想はなかなかのものはあると思います。
今回の本の主旨である、日本を最強国家にしようとする考えは、幸福実現党と同じですね。
冒頭で、民主党の欠点もちゃんと述べてあります。

民主党と言っても、自民党のBグループにしかすぎませんと。
自民党も民主党も、結局は八方美人のバラマキ政策を行うことに変わりはありません。
最終的には大きな政府となり増税です。
民主党は、社会主義の考えに、更に近い分、自民党に輪をかけてバラマキ政策中心になることは普通に考えれば分かることです。

大前さんの減税路線中心の考えは幸福実現党と同じです。
主要国の個人所得税は最高税率を下げる傾向にありますが、今、日本は、地方税と合わせて50%となり最高に高い部類に属しています。
税率の低い、モナコやスイスは、世界中から富裕層を引き寄せているそうです。
法人税も日本はOECD諸国の中では一番高いとのことです。
このままでは日本から富裕層の人々や、税金をちゃんと納めている優良企業は、どんどん拠点を日本から税率の安い海外へ移転してしまいます。

相続税は、ほとんどの国が廃止の方向に向かっているとのことで、スイス、イタリア、スウェーデン、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、香港、マレーシア、タイ、ベトナム、インドネシアなどではすでに国税としての相続税はゼロだそうです。

税率を下げて、税収を増やすという考えは、世界的潮流になりつつあるようです。
以上を考慮して、所得税、法人税、消費税は全廃して、資産課税、付加価値税というのを導入してはどうかと言っています。

あと、エネルギー、農業、国際的人材の育成、憲法改正、道州制等いろいろ述べています。
幸福実現党は道州制について、どちらかと言えば賛成しかねるというスタンスですが、
(道州制やっても役所の体質が変わらなければ意味が無いから)
大前さんは随分昔から道州制のことは言ってますね。

ま、斬新なアイデアを数多く述べられていますが、一点、大前さんの欠点が読み取れます。
それは何か?
大前さんは宗教的な理解が不足していると思います。この点が最大の欠点でしょう。
世界の政治や経済について博識で先見の明もあると思いますが、根源的なる知識、智慧とも言える、宗教に対する理解が非常に浅いのです。
世界を見る目も、宗教的洞察力が無いと、機械的に見るだけになってしまうのですよね。
これ、とても残念な部分です。


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