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「1秒!」で財務諸表を読む方法(企業分析編) [本(経営)]


「1秒!」で財務諸表を読む方法(企業分析編)

「1秒!」で財務諸表を読む方法(企業分析編)

  • 作者: 小宮 一慶
  • 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
  • 発売日: 2010/12/03
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



第1部 財務諸表から企業の実態を読み解く
・企業は世界同時不況をどう脱したか-損益計算書から読み解く
・未曾有の危機に企業はどう対応したか-貸借対照表の安全性指標から見る
・「資金の流れ」から企業業績を分析する-キャッシュフロー計算書を読む
第2部 企業の危機は、財務諸表のどこに現れるのか
・JAL破綻に見る財務諸表の劣化-貸借対照表、損益計算書はどう変わったか
第3部 財務諸表から各社の企業戦略を分析する
・各業界に独特の財務諸表のクセを理解する

『「1秒!」で財務諸表を読む方法』は、良い本だと思っていたので、②番目の(実践編)を飛ばして③番目に出た、この本を読んでみた。
2008年9月のリーマン・ブラザーズの破綻は、世界経済を一時期、急降下させたわけですが、各業界の各企業が数字の上で、どう回復に向かったか、といった事がメインテーマになっていると思います。
はっきり言って、好景気が続いて、どの業界も、出すもの出すもの売れてしょうがないような時代であれば、財務諸表を分析したり、中小企業診断士が企業診断する必要もあまり無いのかもしれません。
よくよく考えなければいけない事は、まずは根本的な問題として、全体的な環境が厳しい時代であるからこそ、重箱の隅をつつくような財務諸表分析とか診断が必要になるのであって、ニーズもまたある事を忘れてはいけないでしょう。
景気があまり良くない。
知恵を出さないと倒産したり、買収されたりする、その様な時代環境にあっては、当然、楽観的な見方よりかは厳しめの見方をせにゃならんという事です。
平成21年6月30日時点で、JALは短期の負債が3,700億円あり、利益は無し。
経営に厳しさが無いと、ここまで悪化してしまうのですね。

当たり前の事ですが、会社でも個人の経済活動でも、永久に赤字が続いていたら発展していく事も自由に行動する事も、更には存続する事も出来なくなります。
今の様な時代、ほっておいたら万年赤字状態になってしまう可能性があるわけですが、こういった財務諸表分析的な話は、戦略論からいうと「防御」の部分にあたるのかもしれません。
ただ、当然、防御だけで生き残れるわけではなく、常に創造性も働かせていかなければならない。
ここが難しいところです。

あくまでも数字は、結果の姿でしかないので、結果の姿を見ているだけで会社が良くなるわけでも、危機を乗り越える事ができるわけでもない。
はっきり言って、数字を分析するだけでは、企業診断も無味乾燥なものになってしまいますので、数字を大事にしつつ、必ず、行動方針や反省して改善する姿勢を導きださねばなりません。

要するに、数字で見える部分をネタにして、経営者も企業も、相当引き締めてやらにゃアカンという事です。
数字で見える部分は氷山の一角で、「海の底に沈んでいる9割の部分を改善せよ」っつー事だな。


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