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饗宴 [ギリシャ哲学]


饗宴 (岩波文庫)

饗宴 (岩波文庫)

  • 作者: プラトン
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2008/12
  • メディア: 文庫



幾分、昔読んだ本を、再読しています。
内容も随分忘れてしまっているものもありますので。
という事で、プラトンあたりから再読し始めています。

これは、プラトンの中期の作品の一つ。
短いです。
今でいう飲み会の席で、参加者が、恋の神、エロスを順番に賛美する話。

ファイドロス
パウサニヤス
エリュキシマコス
アリストファネス
アガトン
ソクラテス
の順番

今の日本のエロスの言葉の感覚とは、ちょっと違う事を意識しないとだめでしょう。
恋の神、エロスです。
(ただ不思議な事に、この時代のギリシャでは、恋の中に、成人男性の少年への恋も普通にあった)

賛美の演説は、最後にソクラテスが話をして、その後、ソクラテスの人格の凄さを、別の参加者が語るというもの。
まあ、これが事実としてあった事かどうかはよくわかりませんが、飲み会の席で、こうした話が行われていたとしたら、当時のギリシャの人々は意識レベルは高かったのだなと思いますね。
現代日本では12月など飲み会としての忘年会も多数行われるでしょうが、人々の話の内容は、良くて仕事の話レベルでしょうか。
2000年以上前の人々が、現代の人々に比べて知的に劣っていたわけでは全くない事は、読めばある程度わかります。
マスコミがなかった分、議論等も盛んだったのですかね。
今よりかは科学技術等は劣っていましたし、その分、イマジネーションとか思考する力は強かったのではないか?とも思えます。

それに、当時のギリシャだけでもないとは思いますが、「神々を賛美する」という事が、極めて普通に行われていた。
神々と言うからには、当時のギリシャは多神教です。
この後のローマもそうです。
日本神道も、どちらかと言えばそう。
これは、現代から見たら、劣っているのではなくて、霊的真実を、よくわかっていた、という事になるでしょう。

実際、神々と言っても、もとをたどれば地上に生まれた人間が、その影響力の強さ故、神格化していったというところが大きいと思います。
キリスト教になると、地上に生まれたイエスが、「天なる父」と言ったりして、神とはそもそも天上界に天地創造以前の最初からいるもの、という感覚が強くなってくる。

それはともかく、
この本で、プラトンが言わんとした事のメインは、プラトニックラブではないか?
ソクラテスは演説で、
人は皆、エロスを尊重しなければならない、と最後、閉めていますが、
その後、アルキビヤデスという人物が、ソクラテスの自制心の強さを語っている。

恋、エロスと言っても、その動物性を超えた精神性の高みの恋を最上位のものとせよ、
という事を言いたかったのではないか、と思っています。

まあ、岩波にしては薄い本なので、まずは再読の手始めに読んでみました。

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