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歴史のなかの政教分離―英米におけるその起源と展開 [本(アメリカ)]


歴史のなかの政教分離―英米におけるその起源と展開

歴史のなかの政教分離―英米におけるその起源と展開

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 彩流社
  • 発売日: 2006/04
  • メディア: 単行本



この本の中の
・民主主義社会における宗教の役割-トクヴィルの宗教論
を読んで。

ルソーは、国教としての「公民宗教」の必要性を説いた。死後の生を教え、正しい者が幸福を得、悪人が罰せられる。但し、不寛容が禁止されているけれども、「公民宗教」を信じない者は、国家から追放される。18世紀の理性重視が見てとれる考えとも言える。
トクヴィルがアメリカ社会で見たものは、「公民宗教」と教義的にはほとんど同じだか、キリスト教が中心であるけれども、数々の教団が並存しつつ緩やかな一致で結合している社会であった。政治的に強制されるでなく、一人一人が創造主である神を信じ、寛容さを持って良き社会の建設を目指している社会。

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まあ、「政教分離」にしても、「政教一致」にしても、根本的には、その社会に住む人々の心にすべてはかかっていると言えよう。個人個人の才能を開花させることについては、その才能が社会の進歩発展に貢献するならば、できるだけ社会として協力していくべきであろう。そして、その才能の開花に対して、いかに嫉妬せず、寛容さを持って見ていくか、ということがとても大事なことだ。
個人個人の才能を開花とは、一般的な言い方であるが、言葉を変えれば、限りなく仏神に近づいていく行為と言えようか。民主主義社会の基礎は、そこに主眼を置く必要がある。社会に必要な職業であるならば、どのような職業であろうとも、また、社会的な立場であるならば、どのような立場においても、よりいっそう社会の進歩、人々の幸福に貢献する能力を高める余地はあるはずである。




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