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代議政治論(Considerations on Representative Government ) [本(古典)]


世界の名著〈49〉ベンサム,J.S.ミル (1979年) (中公バックス)



『代議政治論"Considerations on Representative Government"』は、J.S.ミル の1861年(55歳の時)に出版された本です。
翻訳された、特に昔の本に多いのだけど、意味がよくわからない部分も多い。
ま、しかし、大体の内容は理解できた。
(後半は要約のみになっちゃってるよ。訳すのがめんどうになってしまったのか・・・)
基本的に原本を英語で読むのがよいと思うのだが、残念ながら自分の能力がそこまでいっていない。
『On Liberty』も英語版持っているが読みきれていない!

以下、要約とか抜き出したもの。

・国民が、その統治形態を維持するために必要なことを進んで行うならば、統治形態は選択できる。
・統治形態の中で一番良いものは代議制民主主義である。
・但し、社会を構成している人々の資質においては、そうでない場合もある。
・ある国民は、自由な統治を好みながら、怠惰や不注意のために、または公共心が欠けているために、一定の統治形態を維持するのに必要な努力をすることができないかもしれない。
・犯罪者を制止するために、法律や公的権威に協力しようとしないような国民は、制限付の限定された自由以上のものには適しないと考えられなければならない。
・私的な市民がときたまのことであるにしても、公的な機能に参与することによって与えられる教訓の道徳的な役割は重要である。
・行政の職務を重視している。
・議会と行政の役割をきっちり分けることが良いとしている。
・国民の個人的な道徳的、知的、活動的な能力を十分に発揮させない恐れがある。
 (選挙権の拡大と司法、行政的な仕事への国民の参加で対応)
・民主制が多数者の専制に陥る可能性はある。

いろいろ述べていますが、確かに現時点で代議制民主主義以外の選択肢はほとんど残されていないと思います。
しかし当時もそうでしょうが、現代においても問題点は多い。
当然、改良していかなくてはなりません。悪い点があるなら修正していかなくてはならないのは当然のことですね。

自分として恐い部分は、最後の「多数者の専制」の部分です。
(これは、トクヴィルの『アメリカの民主政治』でも同じことを言っているわけですが)
特に現代の日本などは、宗教に無関心な人々が多いところが気になります。(マスコミの影響が相当あり)
人生を突き詰めて考えれば、当然、宗教的関心を持たざるを得ないと思うのですが、その部分を曖昧にして、この世的な娯楽だとか趣味に転化しているようにも見えます。
ま、あほな宗教に入るくらいだったら「触らぬ神に祟りなし!」という考えは賢明ではあります。
ただ、真理探究の道は人間として途絶えてしまってはならないでしょう。
自分もかつてはキリスト教の教会に毎週日曜日、何年にも渡って通っていましたが、聖書の内容とか教会の牧師の教えには満足できませんでした。「ある程度までは正しい。但し、あるところは間違っている」 そう感じました。
当然、その後も真理を求め続けました。
やっぱり、ある程度、自分の人生、真面目に考えなくっちゃイカンよ。

どうも日本のマスコミと、それに操られた大衆のマルクス主義的唯物論(物質中心主義。宗教は阿片だ! というような考えを含む) は、何とか打破していかないといけないと感じる。


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