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日本の統治構造 [本(日本の政治)]





★目次
第1章 官僚内閣制
第2章 省庁代表制
第3章 政府・与党二元体制
第4章 政権交代なき政党政治
第5章 統治機構の比較—議院内閣制と大統領制
第6章 議院内閣制の確立
第7章 政党政治の限界と意義

出たばかりの時、一度読んだのですが、なんやら今ひとつ記憶に残らなかったので、二回目読んでみました。

で、最初の方で著者の飯尾さんが述べているのは、どうも今の日本の政治システムは、議院内閣制ではなくて、官僚内閣制になっているんではないですか、ということですな。
そして、官僚内閣制をもうちっと掘り下げていくと、官僚の出身の省庁代表制になっている。
法律にしろ予算にしろ、省庁が主体になっている。
その流れは、

業界団体、地方自治体など
 ↓
省庁の課長
(政策の必要性の訴え)
 ↓
省庁の課長補佐
(政策の作成)
 ↓
局内の総意
 ↓
省庁内部の調整
 ↓
内閣法制局の法令審査/財務省との予算交渉/族議員等への説明
 ↓
自民党 政務調査会の部会
 ↓
自民党 政務調査会の政調審議会
 ↓
自民党 総務会
(党議拘束)
 ↓
国会

国会に至るまでの道のりは遠し・・・。
野党の審議引き延ばし等で廃案あり・・・。
まあ、しかし、最初の出所は国民による意見なので、それなりに機能はしていた。
ただ、与党と癒着してしまっている。(政府・与党二元体制)

で、「政権交代なき政党政治」、「統治機構の比較—議院内閣制と大統領制」
などの内容について述べていて、結局のところ戦後の日本の政治構造の問題点は何か? ということで3点挙げている。
・「権力核」の不在
・権力核の民主的統制の強化
・政策の首尾一貫性の確保が困難
そして、その対策としては、
政権選択選挙の実現
内閣総理大臣の強化
ということを述べていますね。

まあ、タイトルにあるように一貫して、あくまでも政治のシステムがどうあるべきか、という話が中心です。人間の個性等は全く話題にされません。しかし、それはそれで、システマチックな考えで良いと思います。なかなか政治家が政治システムをどうするか、という発想はできませんからね。

最後に自分の感想ですが、安易な二大政党制、政権交代の賞賛は自分としてはちょっと否定的です。自民党単独でも二大政党制でも、はっきり言って、良い政治ができるかどうかです。二大政党制が実現すればとか、政権交代すればとか、そういったものではないです。
たとえば、「テロ対策海上阻止活動に対する補給支援活動の実施に関する特別措置法の一部を改正する法律案」などに関しては、絶対に継続すべきです。これやめたら国民の生活どころではないです。世界から孤立していきます。自分の身近な生活のことのみを考えたら、確かに反対する人の気持ちもわからなくはないですが、日本全体が先進国から孤立してしまいます。その結果は、逆に憲法9条の改正を早めるでしょう。日米安保や多国籍軍の一員としての立場にひびが入るから。独自に中国、北朝鮮相手に軍拡競争を進める必要がでてきますから。
まあ、台湾と共に、日本も中国の覇権国家化の波に飲まれてよい、という考えなら仕方ありませんが。

国の平和があってこそ、経済繁栄もあるのです。そして、平和のためには軍事力も必要なのです。
はっきり言って、北朝鮮が何等かの理由でミサイルを日本に発射させたら、即戦争になります。その時、日本を守るのは誰でしょうか? 日本以外の国で、どの国が守ってくれますか?

オバマ個人は日本を守る気はあまりありません。これは本当です。


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